北欧の暮らし

夏を満喫するスウェーデンの夏至祭

ミッドサマー

スウェーデンの夏至祭。7月にスウェーデンを訪れた際に夏至祭の話を聞き、この目で見たいとずっと思っていました。それぞれの地域で規模の違いややることなど多少異なるようですが、私が見て来た夏至祭がどんなものだったか、紹介します!

北欧の夏と夏至祭

北欧の夏は短い。夏と呼ぶのは6月と7月。今は温暖化もあって8月までは夏らしい気候ですが、9月になると一気に秋めいてくるので、8月は夏の終わりとカウントします。そのため、夏をお祝いする夏至祭はスウェーデン人にとってとても大切なイベントの一つ。夏至は、太陽の恵みと日々の暮らし、そして愛に感謝する1日なのです。

夏至祭は6月の中旬、19日から25日の間の土曜日。そのため、本当の夏至の日ではなくてそのすぐ後の土曜日、という感じ。でも実際には夏至祭イヴのほうが大切だそうで、金曜日に家族や友人同士でサマーハウスなどに集まって一緒にお祝いします。
ちなみにサマーハウスというのは、名前の通り夏を過ごす家。感覚的には別荘ですが、日本の別荘の豪華なイメージとは違って、普段住んでいる家よりも小さくてシンプルなのが一般的。都市に住んでいる人たちは特に、自然に近い場所にもう一つ家を持っていて、休みの時にはそこでゆっくり過ごしています。

ミッドサマー

多くの人が友人同士集まってお祝いをする

先ほども書いた通り、家族や友人同士で集まってお祝いをするのですが、まず驚いたのはその人数。今回は12人が一つの家に集まってお祝いをしました。ベッドもエアーマットレスなどを駆使し、ぎりぎり寝床を確保できたほど。それだけみんな集まりたがりなのです。家族にもよりますが、一般的には子供がいる場合には2家族以上が集まり、子供が巣立つ(だいたい高校生以上)と、子供は子供たちで集まり、大人はそれぞれのパートナー同士が集まるそうです。この感じ、日本と違いますよね。そもそもパートナー同士で集まって”みんな友達”みたいな距離感の近さがとても新鮮。友達の友達は友達、という概念が浸透していて、初めましてでもすぐに友達になれてしまうのがすごい。そもそも日本人のように気遣いがあまりない、オープンな人たちなので、距離感を縮めるのが上手だなぁと感じています。

夏至祭イヴランチ

ランチに食べるものは決まっています。

ゆでた新じゃが・サワークリーム(じゃがいものソースのような感じ)・スモークサーモン・パイ・Herringと呼ばれる魚を漬けたもの数種類・ゆでたまご・シュナップス

クリスマスにも同じようなものを食べたような…と思いつつ、太陽のもとでみんなと食べるランチは「最高!」の一言。今年は特に天気もとても良くて、本当に気持ちよかったです。シュナップスというのは蒸留酒で、夏至祭には決まって飲むそう。透明で、もちろん度数は高い。ディルやエルダーフラワーなど、さまざまなフレーバーが存在するのですが、度数が高くてその風味を利き分けるのは困難でした。いつかわかるようになるのか…利き分けられるまで飲むと大変なことになりそうな、危険なやつでした。個人的には酢漬けのものに慣れているからか、Herring(ヘリング)が美味しかったです。これは通年食べたいくらいですが、それを言ったら「これは夏至やクリスマスに食べるものだから」と言われました笑 まぁ通年で売っているんですけどね。

ミッドサマー ミッドサマー

夏至祭メインイベント

ランチを食べた後は、近くの広場へ。日本の町内会規模の括りで、いろんな場所で夏至祭のダンスとゲームが行われます。ミッドサマーポールと言われる植物で装飾されたポールを立てて、その周りをみんなで踊るのがメインのイベント。花冠をつけた人たちが踊っている姿は、おとぎ話の中の世界を見ているようでした…!花冠はそれぞれが作ったものなんでしょうね。私もいつか付けて踊ってみたいなぁと、夢が膨らみます。曲の中にはスウェーデン人の生活を歌にしたものがあり、料理をしたり洗濯をしたり、その振り付けが踊りになっているものもあって。昔から人々が集まって助け合いながら、励まし合いながら、日々の暮らしを送っていたのでしょうねぇ。

ミッドサマー ミッドサマーミッドサマー

踊り終わったらゲームが始まりました。参加は自由で、輪っかにボールを投げ入れたり、的当てみたいなのがあったり。商品のアイスクリームをかけて、大人も子供も本気で楽しんでいました。前にも思ったことがあるのですが、こういうアナログな遊びを、スウェーデン人は本気になって楽しめるんですよね。なんだか自分が忘れかけていたピュアな感じを思い出させてくれる感じが、すごく好きです。

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欠かせないFikaと更なるゲーム

イベントが終わり家に戻ると、お待ちかねのFikaタイム。Fikaはコーヒーとケーキを楽しむ時間のことで、スウェーデン人が大切にしている文化の一つです。オフィスではオフィシャルにFikaの時間があったりするほど、日々の暮らしに欠かせないものなのです。夏至のFikaは、旬のベリーを使ったケーキと共に楽しむのがお決まりだそう。ホールケーキってそれだけで幸福感ありますよね。

ミッドサマー

少し落ち着くと、チームに分かれてゲームタイムが始まりました。これまた、バケツにボールを入れたり、ゲートボールのようなものがあったり、バドミントンしたり、ダーツしたり。久しぶりに「遊んだ〜!」と思えるような遊びを楽しみました。大人たちが純粋に遊ぶ姿は、見ていてとても微笑ましい。もちろん自分もその中に混ざっているのですが。笑 商品のチョコレートは逃しましたが、とても楽しいひとときを過ごしました。

ミッドサマー

ディナーはBBQ

北欧に来て驚いたのが、北欧人はBBQが大好きだということ。家にはほぼ必ずと言っていいほどに本格的なBBQグリルがあって、夏には大活躍。夏至祭のディナーもBBQがお決まりのようです。そしてグリルをするのはほぼ男性の役目。

女性陣は男性陣が準備しているのを横目に、「海に入りにいきましょう!」と、水着に着替えて海へ。波が穏やかなスウェーデンの海は、ひやっとしつつも慣れるととても気持ちがいい。”Bathing”というだけあって、ザブンと入って少し泳いだらさっさと上がる。これが北欧流の海水浴。桟橋で日光浴をして体を温めてから帰ると、夕食の準備ができていました。

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23時でもまだ明るい、夏至の夜

白夜なのは北欧でもより北のほう。私が滞在している南の方は、夜中には日が沈みます。それでも23時でもまだ明るい。ようやく夕方になってきたかというくらい。いつも日が沈むよりも自分の体力が尽きて、眠りにつきます。そんなに明るい時間が長いと、夕食後に散歩に出かけたくなる。天気もよかったので、海と夕日を眺めながらの散歩で1日の締めくくり。美しい景色は心が洗われるようでした。

ミッドサマー

 

いかがでしたか?スウェーデンの夏至祭というと、日本では映画が有名なようで…映画を観た友人たちは「本当のミッドサマー初めて見た…!」と、映画のイメージとはかけ離れた現実の平和な様子に驚いていたようでした。私はホラーが苦手なので、その映画は気になりつつも遠慮しておきます。。

今後もスウェーデンの暮らしや文化を綴っていきたいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

 

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