住宅の内装材として人気の「エコカラット」。
今日はその人気の理由と、私がお客様へご提案するときの選定ポイントについて、書いていこうと思います。
※この記事で記載している「エコカラット」はエコカラットプラスのこと意味しています!
エコカラットって何?
まずは簡単に、そもそもエコカラットとはなんぞや?というところから。
エコカラットは一言で言うと「珪藻土を改良してタイル風にかっこよくした内装材」です。壁を装飾するものとして使われます。
リビングルームに使われることが多いですが、寝室や洗面、玄関、トイレなど様々な場所に用いられます。
土壁から生まれた調湿できる壁
日本の伝統工法である土壁。これは高温多湿の日本の環境に適していることから、古来から建築物や住居に用いられてきました。
その歴史はなんと遡ること1300年前の飛鳥時代だそうです。
人間が呼吸するように、素材自体がもつ無数の穴が、湿気が多いときには湿気を吸い、少ないときには放出する役割をもっています。
この土壁を用いることで、高温多湿の中でも木造建築を保ってきたんですね。
進化した珪藻土
調湿できる塗り壁として有名なのは「珪藻土」。
前述のように、エコカラットは「珪藻土を改良してタイル風にかっこよくした内装材」なので、その調湿効果は珪藻土よりも上。メーカーの説明によると、6倍ほど効果があるようです。
ニオイまですっきり
調湿効果の他、消臭効果もあります。
そのため、玄関やトイレに使用したり、ペットを飼っているご家庭におすすめしたり。
マンションは戸建てに比べて風通しがあまり良くないので、マンションでより好まれる理由はここにもあります。
カッターで切れる!驚きの施工性
タイルのように見えるエコカラット。実はカッターで切れてしまうほど、柔らかい素材なのです。
タイルのようにカットするのに電動の切断機が必要なく、施工も簡単。カットした寸法の調整はやすりでできてしまうので、施工する側にも優しい素材です。
入居後の工事でも1〜2面の工事であれば1日で終わるため、入居後の工事でも安心ですね。
このように、調湿・消臭の効果に優れ、施工もしやすく、壁紙にはない質感を出すことができることから、人気の素材なのです。
詳しくはこちらの公式サイトで詳しく紹介されています。
リビングに大判エコカラットを勧める理由
さて、本題。エコカラットはたくさん種類がありますが、リビングにはずばり、大判のエコカラットをおすすめします。大判エコカラットのサイズはW60cm/ H30cm。
よりタイルらしい仕上がりに
高級感のあるタイル仕上げ。床も壁も、タイルは大判が主流です。タイルは海外からの輸入ものが多いですが、床や壁の両方に使えるセラミックタイルは、60cm角サイズが基本。
それを一面にダイナミックに貼り、目地もあまり目立たないようなシームレスな仕上がりがトレンドです。
下の写真はエコカラット。以前納品したお客様のリビングルームです。もちろんエコカラットをご存じの方が見たら紛れもなくエコカラットですが、タイルのようなダイナミック仕上がりに。
吊るしたアートにスポットライトを当て、間接照明で陰影をつけるのも効果的です。
ストーングレースのダークグレーを採用しました。
幅が広い壁がなくてもOK
大判のエコカラット、広い面積がないと雰囲気でないでしょ?と思った方。いえいえ、そんなことないですよ。むしろリビングの狭い壁こそ、大判をおすすめしたいくらい。
こちらは先日エコカラットを施工した新築マンションの一室。W180cmとあまり広さのない壁でしたが、W60cmの大判エコカラットを採用しました。
いかがですか?タイルのような見た目で、かっこよく仕上がりました。
横の枚数は限られるものの、全く問題無し。あえて大きいものを施工したほうが壁をダイナミックに使え、良かったと感じています。
印象を決める、細部へのこだわり
見切り材で断面を綺麗に
建具枠とエコカラットの間には、シルバーの見切り材を入れました。建具枠が見切れる場所は、カットしたエコカラットの断面が見えてしまう場所。見切り材を入れることで断面を綺麗に納め、キラッとした素材感を入れることで一面が締まって見えます。
貼り方の工夫
偶然にも2例ともストーングレースを採用していますが(ストーングレース狂ではないです。笑)、柄のはっきりしたエコカラットは柄合わせも大事。
職人さんは箱から取り出した順番で貼りかねないので、同じ柄が連続しないよう、ちゃんと確認しながら貼ってもらいます。時々変えたほうがいい場所は指示を出しながら。細かな工夫も、エコカラット施工において大事な点です。
この右側にちょこっと写っているカーテン。カーテン生地に施されたブルーの刺繍が、絶妙にエコカラットのグレーと合っていて最高でした。
「細部へのこだわり」は、タイルなど他の素材の施工においても言えることですね。
小判エコカラットの使いどころ
「じゃあ小さめのエコカラットは使い道ないじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、もちろん適材適所です。
マンションの洗面やトイレなどの囲まれた狭い空間には、小さめのエコカラットをおすすめします。大判だと洗面やトイレ程度の空間にはさすがに大きすぎて不自然。小さいものでもブリックタイルのような表面に起伏(高低差)があるものだと、素材の表情が出て良いですね。
いかがでしたでしょうか?エコカラットをご検討中の方、選定の参考になれば嬉しいです!
お読みいただき、ありがとうございました。